秋になると草むらや土手で黄色い花を咲かせるセイタカアワダチソウ。
日本中、どこでも見られる植物ですが、もともとは北アメリカから来た外来種。あっという間に勢力範囲を広げ、今では要注意外来生物に指定されています。セイタカアワダチソウは根から他の植物を阻害する物質を出し、他の植物の勢いを弱めて広がっていくのだとか。
先日、インターンシップで弊社に来てくれた高校生さんが「この黄色い花が広がった景色が好きです。きれいですよね」と言うのを聞いて、少しびっくりしました。なんとなく、侵略者的イメージで、見かけると、「ああ、こんなところにも広がって…」と思っていたセイタカアワダチソウでしたが、何の偏見も、思い込みもなく見れば、秋晴れの空と風に揺れる一面の黄色い花は、とてもきれいだと思いました。
彼女は「将来は地元で土木関係の仕事に就きたい。高校に入って、さらにその思いが強くなった。現場にも出るような仕事がしたい」と目をキラキラさせて話してくれました。
思えば、私が仕事を始めた30年前は、女性が現場に出ることなど、ほとんどなく、作業服を着ているだけで二度見されるような時代でした。今、土木の仕事に就く女性も増え、職場環境も変わってきています。彼女が夢を叶えて、生き生きと働ける業界になるよう、大人が、もっとがんばらなければと思いました。
明治時代にメキシコからやってきたコスモスが、今や日本の秋の花になっているように、セイタカアワダチソウがいるのが自然な風景になる日も近いのでしょう。
セイタカアワダチソウを見るたびに、彼女のキラキラした瞳を思い出して、私は、この花を好きになりそうです。
投稿者 Ⅿ
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